今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈腎(腫瘤性)〉
腎細胞癌(RCC)
大杉 圭
1
,
大熊 潔
1
1慶應義塾大学医学部放射線診断科
pp.255
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100963
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腎腫瘍の7~8割を占め,高齢者に多い.尿細管上皮由来の悪性腫瘍で,古典的には無症候性血尿・側腹部痛・腫瘤触知の3主徴を呈するが,最近では無症状で偶然発見されることも多い.腎盂癌と異なり,膨張性発育を呈することが多いため,腫瘍が大きくても腎機能は保たれることが多い.
小腫瘤である場合,内部は低~高エコーいずれもとりうるが,比較的均一であることが多い.腫瘤が増大するとともに内部の出血や壊死を反映して低エコー部分(intratumoral cyst)と高エコー部分の混在する不均一な腫瘤となる.偽被膜を反映して辺縁に低エコー帯(anechoic rim)が認められることが多く,intratumoral cystとともに腎細胞癌に特徴的な所見である(図1)1).不整な多房性囊胞性腫瘤を呈する場合もある(図2).
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