今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈腎(非腫瘤性)〉
腎結核
豊田 圭子
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学
pp.252
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100961
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腎結核は,mycobacterium tuberculosisによる腎臓の慢性肉芽腫性炎症である.尿路結核は腎結核に始まり,尿管,膀胱,尿道へと結核が進行していく.片側性の場合は75%といわれている.
血行性の感染にて腎皮質に最初の初期病巣が作られ,次に腎髄質ごとに乳頭部に孤立性病変を形成し,周囲実質に広がり,癒合して乾酪化や空洞の形成をする.進行すると,腎杯・腎盂粘膜に膿瘍が自壊して粘膜潰瘍を形成する.この膿により腎盂腎杯が満たされたのが結核性膿腎症である(図1).超音波像では部分的水腎症あるいは腎盂の拡張を伴わない腎杯拡張を反映して,境界の不明瞭な低エコーの腫瘤様病変が腎杯部に描出される.
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