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胆囊ポリープとは胆囊壁より隆起する病変の総称で,腫瘍性ポリープ(腺腫,胆囊内腫瘤形成型の胆囊癌)と非腫瘍性ポリープ(コレステロールポリープ,過形成ポリープ,localized typeの胆囊腺筋腫症,炎症性ポリープなど)に分類される.コレステロールポリープは胆囊ポリープのなかで最も高頻度にみられる.典型例では,10mm以下の有茎性病変で細い茎を有し,表面は小顆粒状を呈する.多発性のことが多い.病変全体が高輝度点状エコー(5mm以下のものに多い)または内部に高輝度点状エコーの集簇を認める.高輝度点状エコーは脂肪を貪食した泡沫状の組織球の集合したもので,コレステロールポリープに特徴的な所見である(図1).しかし非典型例では,広基性,無茎性病変,10mm以上の病変,低エコー病変もみられ,これらは腫瘍性ポリープとの鑑別は困難である.localized typeの胆囊腺筋腫症は胆囊ポリープの形態を呈することがある(図2).無茎性のものが多いとされるが,自験例では有茎性であった.内部にRokitansky-Ashoff sinusによる複数の小囊胞構造,壁内結石によるコメット様エコーを認めれば診断は可能であるが,これらの所見を欠く場合は腫瘍性ポリープとの鑑別は困難である.
腺腫はmalignant potentialを有し(adenoma-carcinoma sequence),腫瘍性ポリープはすべて手術の適応となる.これに対し,無症状の非腫瘍性ポリープは治療の適応外であり,腫瘍性ポリープと非腫瘍性ポリープとの鑑別は重要である.しかし,上述したような典型的な所見を呈するコレステロールポリープや胆囊腺筋腫症以外は,鑑別が困難なことが多い.10mmを超える病変(特に15mmを超える病変は癌を第一に念頭に置く),低エコー病変,広基性,無茎性病変,急速に増大傾向を認める病変は,腫瘍性ポリープの可能性を念頭に置いて,精査,摘出が必要である.
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