今月の主題 腹部疾患をエコーで診る
臓器・疾患別アプローチ―ワンポイントレクチャー
〈胆囊・胆道系〉
陶器様胆囊
金田 智
1
1東京都済生会中央病院放射線科
pp.226
発行日 2004年2月10日
Published Date 2004/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100936
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胆囊壁に石灰化をきたしたものを陶器様胆囊という.腹部単純X線写真で右上腹部に卵の殻状の石灰化像が描出されるものが典型的である.胃X線検査の際に偶然発見されることもあるが,最近ではCTで発見される症例が増えているものと思われる.本邦における伊勢らの集計によれば,好発年齢は50~60歳代,男女比は1:3.8で女性に多い1).症状としては腹痛が多いが,無症状例は約15%である.胆囊結石,胆管結石の合併は82.2%であったという.病理学的には,粘膜の脱落と壁の線維化および硝子化,石灰化を認め,慢性胆囊炎の所見である.また,胆石の嵌頓による胆囊管もしくは胆囊頸部での閉塞を伴うことが多い.
超音波像としては,壁に一致する弓状の高輝度エコーと音響陰影を認める.音響陰影が軽度であると,内腔が透過され,内部の結石が描出されることがある(図1).逆に音響陰影が高度であると,胆石の充満した胆囊と鑑別が困難となる(図2).胆囊自体は腫大しているものもあるが,萎縮しているものもある.
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