今月の主題 ブレインアタック2006―t-PA時代の診断と治療
ブレインアタックの診断
重症度評価の重要性と問題点
寺山 靖夫
1
1岩手医科大学神経内科
pp.238-241
発行日 2006年2月10日
Published Date 2006/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402100504
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ポイント
・脳卒中重症度とは一般的に患者の神経学的脱落症状を統合して得られる機能的な障害の程度を示し,脱落症状を評価し点数化したものを一般にストロークスケールと呼び,脳卒中重症度のものさしとして使用しているが,客観的で定量的なスケールは少ないのが現状である.
・急性期の重症度評価は,個々の患者にみられる神経学的脱落症状の組み合わせから,奥に潜む病態の重大さ,回復の程度,増悪・再発の可能性などを読み取り,発症後も起こりうるさまざまな事態を検知し的確に対処するために重要である.
・t-PAなどの抗血栓療法に伴う出血性梗塞の兆候,画像検査のタイミングをいち早く検知し,状況によっては他の治療への速やかな転換を図るためにベッドサイドでの重症度判定は重要である.
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