特集 精神障害者が暮らしやすい地域づくり
精神障害者を支えるシステムづくり—東京都の精神保健の現状と課題
本保 善樹
1
1東京都衛生局医療福祉部精神保健福祉課
pp.662-669
発行日 2001年9月15日
Published Date 2001/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902990
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精神保健の領域は,現在国内外で大きく変化しています.具体的には,精神保健関連法規,疫学・精神医学的知見,市民・当事者活動などに相当の変化が生じています.国内では精神保健福祉法が平成11年までに4回改正され,海外では地域生活支援が進み,単位人口当たりの病床数は現在も減少を続けています.精神保健においては,証拠に基づいた政策形成が求められていますが,WHOによると,世界的に精神疾患の社会へ及ぼす影響が,従来考えられていた以上に大きいという証拠が注目され1),一次予防を施策化しようとする試みも始まっています2〜5).他方,障害を持つ方の政策過程への参画が必要と考えられるようになり,障害を持つ人々は,サービスの一方的な受け手から,サービス提供の専門家(プロシューマー;プロフェッショナルコンシューマー6,7))となる動きもみられます.まずは,東京都の現状の紹介から始め,後半で将来のシステムづくりの一端について述べたいと思います.
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