特集 市町村の保健と福祉の専門職
市町村の保健と福祉を支える人たち—マンパワーの課題
塩飽 邦憲
1
,
山根 洋右
1
1島根医科大学環境保健医学
pp.564-568
発行日 2001年8月15日
Published Date 2001/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902967
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保健福祉が直面するもの
日本人の健康状態は良いのだろうか,保健医療福祉サービスはうまく働いているのだろうか.WHOは,日本人の寿命,健康状態,保健医療福祉サービスは良好と評価している1).しかし,新聞を見ると,青少年による暴行,保険金目当ての殺人,幼児虐待,不登校・引きこもりなど,暗いニュースばかりである.テレビでも健康番組が高視聴率を稼ぎ,番組で商品が取り上げられるとあっという間に売り切れる.がんや老後の不安につけ込んだ生命保険や健康グッズの宣伝が1日中放映されている.健康と暮らしに不安を抱えていないと日本人でないかのようにさえ思えてしまう(図1).
マスメディアで報道される健康と暮らしの不安は,急速な少子高齢化,核家族化,コミュニティの崩壊,生活習慣病や社会関連疾患の増加を如実に示している.日本国中に広がる健康と暮らしの不安に,コミュニティに最も近い市町村の保健福祉に携わる人たちはどのように対応しているのであろうか.
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