特集 提言—あすの公衆衛生
難病の人々の支援システム
牛込 三和子
1
Miwako USHIGOME
1
1東京都神経科学総合研究所社会学研究部門看護学研究室
pp.30-31
発行日 1993年1月15日
Published Date 1993/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902936
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◆難病対策の現状
国の難病対策は昭和47年7月厚生省に特定疾患対策室が設置されたときに始まり,現在まで20年経過している.国の難病対策には3本の柱がある.中心は調査研究事業であり,その対象に指定された疾患に対して研究協力謝金として医療費助成が実施されている.昭和47年のスモン,重症筋無力症,全身性エリテマトーデス,ベーチェット病の指定をはじめとして,平成4年3月現在33疾患が指定されている.また平成元年度に相談事業として難病患者医療相談モデル事業が,平成2年度に都道府県を実施主体とする訪問診療モデル事業が開始されている.前者は専門医師,看護婦,ケースワーカーなどによる総合的・専門的な相談班が,保健所や医師会館,その他適当なところに出向き,訪れた難病患者や家族の相談に応えるというものである.後者は寝たきり等で受療が困難な在宅の難病患者に対し,専門医,主治医,保健婦,看護婦等により構成された診療班が患者宅を訪問して患者の病状に応じた診療,看護および療養上の指導を行うものである.
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