現代の環境問題・8
食品汚染—魚介類の毒に関する最近の知見
橋本 周久
1
,
野口 玉雄
2
Kanehisa HASHIMOTO
1
,
Tamao NOGUCHI
2
1茨城大学教育学部食物学研究室
2東京大学農学部水産化学研究室
pp.776-780
発行日 1990年11月15日
Published Date 1990/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902917
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1.はじめに
魚介類の中にはシガテラ毒魚やフグ類のように有毒なものが少なくない.数万種ともいわれる多数の魚介類が,自然の環境条件の中で生き抜くための戦略の一つとして毒をもつ場合もあろうし,また食物連鎖の一段階として無目的に毒を保有する場合もあるであろう.このような魚介類の自然毒,いわゆる“魚介毒”の研究は,水産食品の安全性確保の上からも,また新しい生物活性物質の開発(あるいはそのlead compoundの探索)のためにも不可欠である.魚介毒研究は昨日今日に始まったものではないが,最近におけるその進展には目覚ましいものがある,以下にその成果を紹介したい.
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