特集 医療情報の利活用
レセプトデータを利活用したデータヘルス事業の現状と課題
岡本 悦司
1
1国立保健医療科学院
pp.598-603
発行日 2015年9月15日
Published Date 2015/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401208254
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
背景
レセプトのオンライン化がほぼ達成され,専ら関心はその利活用に移っている.毎月,DVDやディスクに蓄積されるテラバイト単位のビッグデータを,では,どう活用するか,は保険者にとって未知の領域であり,新たなチャレンジでもある.保険者がレセプト情報をレセプト点検等の医療費チェック以外の目的に利用することに対しては最近まで強い抵抗があり,ましてやそれを保健指導や疾病管理に活用することに多くの保険者は躊躇するものがあった.
そうした抵抗感を払拭し,データ活用を促進する目的で保健事業の実施指針が2014年4月より改正され,保健事業の実施計画(データヘルス計画)が開始された.2015年度より全ての健康保険組合がデータヘルス計画を策定し,事業主や産業医とも連携して推進されている1).健康保険組合には,データ分析を専門事業者に委託するところも多いが,市町村国保においては,国保データベース(KDB)という情報システムが配備されており,データヘルス計画推進のための有力なツールとして期待される.
Copyright © 2015, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.