公衆衛生医師—その現状と課題 座談会
保健医療情報の活用を考える(1)
尾島 俊之
1
,
田上 豊資
2
,
永井 正規
3
,
坂田 清美
3
1愛知県設楽保健所
2高知県保健環境部健康対策課
3自治医科大学公衆衛生学教室
pp.415-419
発行日 1994年6月15日
Published Date 1994/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901054
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坂田 本日ご出席の先生方は,保健医療情報についてはそれぞれ先駆的に取り組まれ,いろいろと実績を上げておられます.今日はその具体的なお話も交えながら,公衆衛生,特に保健所を中心とした公衆衛生医が,これからどのように保健医療情報を活用していくべきか,そのためにはどういう技術や知識を身につけていかなくてはいけないのか,などを明らかにしていきたいと思います.
保健医療情報と一言でいっても非常に広く,例えば長い歴史をもつ人口動態統計,伝染病統計,食中毒統計,あるいは栄養調査,国勢調査,さらには国民生活基礎調査,患者調査といったものがありますが,最近ではこれに加えて,コンピュータの普及により結核・感染症サーベイランスのネットワークも確立されておりますし,また脳卒中やがん登録,地域によっては心筋梗塞など様々な疾病登録が各地で展開されております.それから,健診事業が普及し,多種多様な項目で行われるようになっております.その代表が老人保健法による健康診査事業でしょうが,これなどはデータの宝庫と称されていますが,その活用という点からみると,必ずしも十分に活用されているとはいえないと思います.
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