特集 これからの国際保健医療協力
国際保健医療協力の視点—世界のなかの日本—どこから,どこにいくのか
宮城島 一明
1
,
中原 俊隆
1
1京都大学大学院医学研究科社会健康医学系健康政策管理学
pp.232-238
発行日 2002年4月15日
Published Date 2002/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902704
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
「何のために,誰のために,国際保健医療協力を行うのか」という問いは,発展途上国の空の下で,あるいは援助機関本部の机の上で,これまで何度となく発せられてきた.同じく,「なぜ,ほかの誰でもなく,われわれが援助をするのか」という問いも多くの援助関係者を悩ませ続けている.
広義の国際保健医療協力には,先進国も途上国も建前上は平等の立場で参加する国際基準策定作業,人間開発や社会開発のための世界規模での唱導活動,あるいは,発展途上国が相互に知識や経験を交換する活動も含まれるが,本稿では,先進工業国が発展途上国に対して行う資金・技術・機材の供与という狭義の国際保健医療協力について,その存在意義を探ってみたい.
Copyright © 2002, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.