特集 世界のなかの綜合保健
談話室
世界のなかの綜合保健
水野 宏
1
1名古屋大学
pp.62-63
発行日 1965年2月15日
Published Date 1965/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401202987
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わたくしは,これまで「綜合保健指標」とか「綜合保健機能」とか「綜合保健体制」とかという言葉をつかってきた。それは,「コミュニティの健康の綜合的把握」に,このような表現がどうしても必要だったからである。
わたくしが「綜合保健機能」というとき,如何なるコミュニティにも「住民の健康をまもるはたらき」が社会機能として存在するが,その機能は県や市町村の衛生担当部門とか保健所などに局在するものでないし,病院・診療所・母子健康センターなどを含めた専門的保健医療機能集団だけがになっているものでもないという考えがひそんでいる。学校は教育を目的とした機能集団であるが,そこには児童生徒の健康をまもるはたらきが必ず存在する。生産機能を果たすべき工場でも労働者の健康をまもるはたらきを棄てさるわけにはいかない。
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