海外事情
ブラジルにおけるHIV/AIDS対策—世界のモデルとして
大西 真由美
1
1茨城県立医療大学
pp.222-225
発行日 2002年3月15日
Published Date 2002/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902702
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ブラジルで最初のAIDS患者が確認されたのは,1982年であった1).この20年間,ブラジル保健省,国際援助機関,NGOらは,積極的にHIV/AIDSに関する啓蒙・普及,予防,調査,治療,ケア活動を展開し,現在その活動は「世界のモデル」といわれている.ブラジルで展開されているHIV/AIDS対策の根底には「共生」があり,HIV/AIDS対策のポリシーおよび実際の活動の中にそれが反映されている.
現在,ブラジルでは,抗レトロウイルス剤および妊婦へのAIDS予防薬は無料で提供されている.また,保健省,州政府,市政府,NGOが同じ基本政策の下,パートナーシップを持ちながら活動している.こういった,すべての人々と平等に共生していこうとするポリシーは,ブラジルでは10年以上前に生まれ,常に新しい問題にチャレンジし,世界をリードする対策を実践している.
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