報告
腸管出血性大腸菌感染症O 26集団発生について
駒井 惠美子
1,2
1札幌市職員共済組合健康管理センター指導室
2前札幌市保健所
pp.849-853
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902624
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近年,腸管出血性大腸菌感染症の集団発生や散発例が増え,無症状病原体保有者(以下,健康保菌者)の報告も多くみられる.腸管出血性大腸菌感染症に対する抗菌薬投与の是非については議論1)のあるところであるが,一般には厚生省のマニュアル2)に従うことが多く,マニュアルには健康保菌者にも2次感染防止のために3日間の抗菌薬投与もあるとしている.しかし,乳幼児への抗菌薬投与は,常在細菌叢のバランスを崩して菌交代症が起こることもある.平成11年7月,札幌市の同一敷地内にあるA保育園(在籍園児129名,一時保育児6名,計135名,職員18名),B保育園(在籍園児36名,職員17名)の2施設で腸管出血性大腸菌感染症O 26「ベロ毒素2型(VT2)産生性,以下,O 26感染症」の集団発生3)があった.今回の集団発生の経験をもとに,症状の有無による抗菌薬投与と菌陰性化日数との関連を調査したので,その結果を報告する.
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