活動レポート
虐待サバイバーとソーシャルワーク—保健所での実践事例を通して
山本 耕平
1
1和歌山市保健所
pp.844-848
発行日 2001年11月15日
Published Date 2001/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902623
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本稿では,和歌山市保健所が展開してきた虐待ケースへのアプローチを報告するとともに,今後の課題について考察する.和歌山市保健所で継続した虐待サバイバーへの援助が行われるようになったのは,1994年に和歌山被虐待児症候群対策委員会(医療,行政,福祉,教育などの各分野の専門職メンバーによって構成)が形成される少し前からである.ただ,当初は,精神保健福祉相談や発達相談で発見されたケースに個別に対応するにすぎなかった.1997年,精神保健福祉班に専任保健婦が配属され,各保健センターや県子どもセンターとのコーディネートが確実に行われるようになり系統的なケアとなってきた.さらに,1998年からは,「嗜癖問題を抱える家族の集い」が行われるようになり,ここに参加するメンバーにサバイバーが多く,サバイバーの集団ケアが行われるようになった.
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