連載 福祉21茅野 住民参加の地域ケアシステム・6
町が変わる,諏訪中央病院が変わる
鎌田 實
1
1諏訪中央病院
pp.453-458
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902532
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
先週,週刊誌の仕事で藤原新也というカリスマ写真家と対談をした.写真家というよりは詩人といったほうがいいかもしれない.ぼくは,死の思想家だと思って,あこがれを持って彼の作品を見てきた.彼の代表作のひとつ,『メメント・モリ(死を想え)』という作品のなかで,ガンジス河のほとりに置かれた人間の死体を犬がむさぼり食べている写真を撮り,そのキャプションに,「人間は犬に喰われるほど自由だ」という痛烈なセンテンスを載せて,社会にセンセーショナルな話題を投げかけた.
世の中が表面上,清潔で画一化していく社会のなかで,この一枚の写真はいろいろな人々の心を揺さぶった.
Copyright © 2001, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.