視点
子どものこころの保健対策
上林 靖子
1
1国立精神・神経センター精神保健研究所児童思春期精神保健部
pp.402-403
発行日 2001年6月15日
Published Date 2001/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902517
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第二次大戦後,わが国の母子保健は,乳幼児,妊産婦の死亡率の改善と疾病の予防を主たる目標に,保健指導や健康診査を中心に展開し,めざましい成果を上げてきた.乳児死亡率,出生1,000対3,6という数字,乳幼児の健康診査システムは,世界に誇る実績として認められている.
しかしながら,ことこころの保健については,まだまだ問題が山積している.この4半世紀,都市化と核家族化,少子化,女性の社会進出,高学歴化などが進行した.加えて,近年では,ひとり親家庭で育つ子どもが増加している.こうして子どもが育つ環境は世界でも例のないほど急速に変化してきた.これらの社会的変化を背景に,子どものこころの問題が続発してきた.
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