レポート
グローバル・ヘルス・ネットワーク・スーパーコース
関川 暁
1
,
西村 理明
1
,
佐藤 敏彦
2
1ピッツバーグ大学公衆衛生大学院疫学部
2東京女子医科大学衛生学公衆衛生学
pp.219-222
発行日 1999年3月15日
Published Date 1999/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902053
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人間集団の健康の基本的指標である平均寿命をみると,今世紀,人類はいまだかつて経験したことのない改善を享受しており,先進国で平均25年,発展途上国で平均20年以上の延びを示している1).この改善の大部分はパブリック・ヘルス(public health)によるというのが定説である2,3).
パブリック・ヘルスとは,「地域住民全体を対象とした,健康増進,予防に焦点をあてた科学及び活動の集学的総体」と定義されている4).その基礎科学は疫学であり5),人類全体の健康(グローバル・ヘルス)の改善に大きく貢献してきた.天然痘,ポリオの撲滅における感染症の疫学6),心筋梗塞,脳卒中などの危険因子の同定から予防における非感染性慢性疾患の疫学7)などが例としてあげられる.また,パブリック・ヘルスの活動の方法論は,地域での適応可能な技術や社会状況によって異なる.ある地域では,栄養の改善や衛生の向上,別の地域では母子保健,予防接種の普及,他の地域では疾病の社会,経済,文化的因子を解析し,疾病予防対策を施行することかもしれない.
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