特集 21世紀へ向けての産業看護活動
これからの産業看護教育
加藤 登紀子
1
1産業医科大学産業保健学部
pp.785-788
発行日 1998年11月15日
Published Date 1998/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901982
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産業看護教育の現状
これからの産業看護教育を考えるためにまず産業看護教育の現状を卒前教育,卒後教育および継続教育に関して把握しておきたい.
産業看護に関する卒前教育は保健婦教育課程に位置づけられている.1991年より,保健婦教育690時間以上のうち,ミニマムでも保健指導各論165時間,そしてそのうち産業保健指導30時間が初めて位置づけられた(文部省・厚生省共同省令).しかし1991年以前においても,保健婦教育は,対象を生活の場における健康レベルの高い個人および集団ととらえ,その保健指導を教授していたので産業看護を理解する基本の一部は満たしていたと考えられる.1996年8月,時代の要請にかなう多様な人材育成を目指して保健医療職教育が見直され,保健婦教育カリキュラムの改正がなされた.これは合計675時間以上であること,教科目別時間の縛りを廃止し,教育内容の大枠と単位制となったことである.保健指導各論は(母子,成人,高齢者,地域精神,産業,学校のそれぞれの保健指導で)計4単位となった.この新カリキュラムは1997年4月より実施され,産業保健指導は各教育機関の考えにより教育時間にばらつきがでてきている(しかしながら産業保健指導に関する設問が保健婦国家試験に出題されている状況は,改正前と変わらない).
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