特集 産業医活動
国際比較にみる産業保健活動のこれから
小木 和孝
1
Kazutaka KOGI
1
1労働科学研究所
pp.736-741
発行日 1984年10月15日
Published Date 1984/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206939
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■はじめに
産業保健活動の見直しは,今国際的な機運にあるといってよい.それも,これまでの延長上で保健活動の内容を考えるというにとどまらない.職業保健活動の責任分担や位置づけを含めて見直す機運にある.
この背景として,産業における保健サービスが,期待に充分応えられないでいることがあげられよう.労働災害・職業病はどこの国でも依然として大きな社会問題だし,国や職場によるサービスの格差解消も未だしの感が深い,1970年代から産業安全・保健立法が各国であい次いだのも,こうした事情がどの国にも共通していることを示している.それを受けたかたちで,occupational safety and healthの包括的なILO条約155号と勧告164号が採択されたのが1981年である.産業保健の国際的なよりどころとされてきたILOの112号勧告(1959年)は,今年と来年のILO総会での討議を経て新しい条約・勧告に衣がえしつつある.
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