特集 産業看護
産業看護に求められる健康教育
河野 啓子
1
Keiko KONO
1
1産業医科大学医療技術短期大学
pp.89-92
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900273
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■はじめに
「労使を含む学際的な労働衛生チームの一員として,働く人々の労働と健康の調和をはかり,心身ともに健康で充実した職業生活がおくれるように,看護の理念に基づいて支援する」ことを行う「産業看護」に求められる健康教育は,業務に起因する疾病を予防することはもちろんのこと,健康の保持増進,快適な職場環境づくりや作業条件づくりに関わるもの,すなわち,労働衛生管理の基本である「作業環境管理」,「作業管理」,「健康管理」の三管理すべてにわたるものでなければならない.
例えば,作業環境管理の観点からいえば,次のようなことが挙げられる.発散した有害物質が作業者の呼吸圏にまで拡散する前に,局所排気をするための局所排気装置が設置されていても,冬などそれを稼動させると寒く感ずるので,わざとスイッチを切ってしまったり,局所排気装置のダンパーを必要な箇所で閉め,不必要な箇所で開放しているために制御風速が維持できなくなり,環境を悪くしている例がしばしば見受けられる.
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