連載 自治体の保健福祉活動における理学療法士の役割・3
回復期リハビリテーションにおける理学療法士—リハビリテーション医療の流れと理学療法士の役割・機能
田村 茂
1
1富山県高志リハビリテーション病院訪問指導科
pp.232-237
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901861
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理学療法士の活躍する場が施設から在宅へ,医療から保健・福祉へと拡大するなかで,公的介護保険がいよいよ2000年より現実のものになることになった.それと同時に,これからどうなるのだろうかなどの不安も一方に存在する.つまり日常生活活動(ADL)に介護を必要とする多くの脳血管疾患を対象にするわれわれにとって入院時から,外来,通院,訪問リハビリテーション(以下,リハと略)まで今までどおり医療としてかかわるだけでなく,新たに介護保険ともかかわることになる.それは訪問・通所リハを医療としてでなく,ケアマネジメントされたケアプランのなかで行いその回数などが決定される.そればかりでなく要介護認定によるサービスオリエンティドによるケアプランとニーズオリエンティドによるケアマネジメントとの間に差が生じ,それを埋めなくてはサービスの低下をきたすことも危惧される.改めてことの重大さに気付き意欲を奮い立たせている方も多いのではないでしょうか.
医療保険と介護保険にかかわっていくことは今までの保険点数制度の改正とか,老人保健施設の開設とかと全く次元が違う.今後どうなるのか予測が困難である.いずれにしてもその対象者の状態に応じた適切なサービスと適切な場とが求められることに対し,われわれは最大限援助することは相違ないはずである.
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