アニュアルレポート・1998
公衆衛生学の動向—第56回日本公衆衛生学会を中心に
曽田 研二
1
,
土井 陸雄
1
1横浜市立大学医学部公衆衛生学
pp.218-221
発行日 1998年3月15日
Published Date 1998/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901857
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第56回公衆衛生学会総会は平成9年1月10月16〜18日,パシフィコ横浜で開催された.本年は昭和22年の日本公衆衛生学会創設から50年の節目に当たり,また地域保健法が全面施行,介護保健法の国会審議など公衆衛生活動の激変のさなかにあり,公開シンポジウムも含めて約5,000名が参加する盛会であった.
今学会のメインテーマ「世界にひらかれる保健—人類の健康と未来のために」とした.近年,国際交流が進展し,国内でも来日外国人が増え,さまざまな様態の労働者として種々の産業に従事しているが,彼らの保健・医療へのアクセスは必ずしも十分でなく,種々の問題を提起している.このように内なる国際化が進展する中で,国の内外や国籍を問わず健康は人類共通の目標でならなければならない.国内の公衆衛生の多くの重要課題は依然として存続するが,内なる国際化にかかわる保健問題を通してより普遍的な人々の健康問題の討議を期待した.今総会開催の基本コンセプトは「わが国が国際社会の一員として人類の基本的な健康生活に貢献すること」をアピールすることであった.
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