特集 公衆衛生をささえるもの—情報
地域保健医療計画づくりにおける情報の活用法
吉田 浩二
1
1北海道滝川保健所
pp.724-729
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901769
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はじめに目的あり
地域保健医療計画をはじめ,計画の作成にかかわったことのある人の中には,地域の現状を把握するためのありとあらゆる情報を収集した挙げ句に,それをどう処理していいかわからず,途方に暮れた経験をしたことのある人が少なくないはずである.しかし,それは情報処理の能力に欠けていたからではなく,実は情報の扱いに関する基本的な姿勢が間違っていたのである.情報には,目的がある.しかし,情報を集めていたとき,おのおのの情報についての目的を考えていただろうか.
これまで多くの人が無意識のうちに信じてきた「情報は多ければ多いほうがいい」という常識が,実は現代の激変の時代には通用しないということを,日比野は「ブレイクスルー思考」における「目的『適』情報収集の原則」として述べている1,2).これを計画づくりに当てはめて,簡単に解説する(図1).
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