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特別寄稿
公衆衛生の新たな展望への模索—世界保健機関による必須公衆衛生機能の提唱
Essential Public Health Function Initiative
長谷川 敏彦
1
1国立医療・病院管理研究所医療政策研究部
pp.691-695
発行日 1997年9月15日
Published Date 1997/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901764
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世界の転換期は公衆衛生の転換期
「西暦2000年までにすべての人に健康をHFA 2000」の2000年まで余すところ数年,期限までに目標が達成されそうにないまま,新たな世紀を迎えようとしている.
世界は21世紀への転換期(turn of the century),政治,経済,環境,医療とあらゆる側面で転換点にある.「環境と経済発展」,「イデオロギーの東西対立から資源の南北対立」,「大きな20世紀型国家から小さな舵取り国家へ」,「高度経済成長から低成長,持続発展社会へ」,「先進国の超高齢化と発展途上国の高齢化の開始」,「克服されつつある途上国の感染症と克服されたはずの感染症の再興・新興」,「死亡の予防から生活の質(quality of life)の向上へ」,「高度保健医療技術の革新と保健医療福祉の統合」,「新たな保健医療財源の確保と高質・効率のよい保健医療供給体制」など,これらは価値観,疾病構造,社会構造,保健医療技術,供給体制,財源の転換を意味している1)).
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