沈思黙考
世界の公衆衛生の組織
林 謙治
1
1国立保健医療科学院
pp.340
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102096
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昨年の暮れ,世界国立公衆衛生研究所長会議(International Association of National Public Health Institutes:IANPHI)がアトランタで開催され,CDC(米国疾病予防管理センター)の元所長Dr. Koplanの議長のもとに世界規模の健康課題について議論が行われ,また,各国の抱える研究所の事情について紹介された.この会議の参加国は約70で,大多数はロックフェラー財団の寄付もしくは支援のもとに設立され,アメリカの国力にあらためて感服した次第である.
私が勤務する科学院の前身である国立公衆衛生院も,1938年にやはりロックフェラー財団の寄付により設立された経緯がある.各国の国立公衆衛生研究所はさまざまな形態があり,公衆衛生のすべての分野を集めて1つの組織にまとめている場合や,日本のように国立保健医療科学院の他に感染症研究所や医薬品・食品研究所等に分散しているようなケースもあるが,規模は必ずしも一様ではない.
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