特集 公衆衛生の課題と展望
公衆衛生の課題と展望
重松 逸造
1,2
Itsuzo SHIGEMATUS
1,2
1日本公衆衛生学会
2(財)放射線影響研究所
pp.144-145
発行日 1988年3月15日
Published Date 1988/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401207629
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今年(昭和63年)は,厚生省とその付属機関として発足した公衆衛生院の創立50周年に当たる.この両者の歴史が,そのままわが国における公衆衛生の発展過程を物語っているといっても過言ではあるまい.もちろん,公衆衛生に関係する主要な施設の整備と活動はもっぱら第二次大戦後に集中していることはいうまでもないが,21世紀も間近に迫ってきた今年あたりが公衆衛生においても大きな節目の年になりうるということかもしれない.
高齢化社会到来の声は既に耳にタコができるほど聞かされているが,人間(特に日本人)の通弊として現実の事態に遭遇しない限り,なかなか本腰にはならないということもあろうし,一方,現状でも着々とそのための準備が進められているという認識の仕方も存在しよう.いずれにしても,これからの公衆衛生活動は経済的な発展途上段階にある時期のそれとは異なり,社会活動全般のバランスを考慮して実施される必要があろうし,さらにいえば国際的な連携ということも強く求められる時代になってきたということができよう.
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