調査報告
基本健康診査におけるHBs抗原・HCV抗体検査の必要性について—肝癌対策としてのHBs抗原・HCV抗体検査の意義
重藤 和弘
1,2
,
岡上 武
3
,
岩井 眞樹
3
,
能登 直
4
1元 京都府保健福祉部健康対策課
2現 厚生省保健医療局疾病対策課臓器移植対策室
3京都府立医科大学第三内科学教室
4京都府木津保健所
pp.743-747
発行日 1996年10月15日
Published Date 1996/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901578
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本邦において肝癌は平成4年で全がん死の11.6%を占め,部位別の第4位1)となっており,早期診断を含めた早急な対策が求められている.
しかし,原発性肝細胞癌(以下「HCC」とする)は患者の95%以上において,B型肝炎ウイルス(以下「HBV」とする)およびC型肝炎ウイルス(以下「HCV」とする)が陽性の肝硬変患者や慢性肝炎患者に発症することから,肝癌対策としては,老人保健法に取り入れられた胃癌検診,肺癌検診,大腸癌検診などのように,地域住民すべてを対象とし,癌の早期発見を目指した方法にはなじみにくいと考えられる.
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