特集 感染症の新たな動向
ヘリコバクター・ピロリと胃疾患
井本 一郎
1
,
橋本 康司
1
,
中尾 一之
1
,
池村 典久
1
,
田口 由紀子
1
1三重大学医学部第三内科
pp.386-389
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901494
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ヘリコバクター・ピロリ(以下HP)は1983年WarrenとMarshallによって胃粘膜生検組織より分離・同定されたグラム陰性桿菌で,胃炎,消化性潰瘍,胃癌,MALTリンパ腫の発生に密接な関連性を有することが知られている.本菌の感染は広く世界中に分布し,低開発国ほど感染率が高い1)ことが報告されている.本菌を除菌することで消化性潰瘍の再発率が著明に低下することから近年除菌治療が精力的に行われている2).本稿ではHP感染を疫学,予防の面を中心に述べたい.
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