調査報告
在日外国人肺結核患者の外来治療および管理検診に関する調査
金本 由利恵
1,2
,
松崎 奈々子
1
,
斎藤 剛
3
,
山口 智道
4
1前 新宿区四谷保健所
2現 京都市衛生局保健衛生部健康増進課
3東京都福生保健所羽村保健相談所
4結核予防会第一健康相談所
pp.298-300
発行日 1996年4月15日
Published Date 1996/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901468
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近年急速に増加したアジア系在日外国人に結核有病率が高いことは広く知られている.その対策として,東京都では1988年度より日本語学校就学生に対し,各学校を管轄する保健所での結核検診を始めた.この検診により,毎年数十名の要医療者が発見されている1).また日本のシステムとして,受験,入学,就職とことある度に診断書の提出が求められるため,都市の保健所では健康診断を受ける外国人の数が増加し,結核要医療者が発見される機会もまれではない.しかしせっかく発見され,医療機関を紹介されても,在日外国人が治療を継続していくことは難しい2,3).
今回われわれは過去5年間に結核予防会第一健康相談所において外来治療した外国人を対象とし,初めの3カ月間の投薬率(実際の投薬日数/90日×100%),治療からの脱落率,管理検診受診状況などについて調査し日本人と比較することで,今後,外国人結核患者管理に対する医療機関と保健所の協力態勢はどうあるべきかを検討した.
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