保健行政スコープ
老人保健法における総合健康診査の充実—歯周疾患,骨粗鬆症検診の追加
山崎 晋一朗
1
1厚生省老人保健福祉局老人保健課
pp.653-656
発行日 1995年9月15日
Published Date 1995/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901347
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1.老人保健法における健康診査の内容の推移
老人保健法に基づき実施される医療等以外の保健事業として,1)健康手帳の交付,2)健康教育,3)健康相談,4)健康診査,5)機能訓練,6)訪問指導の6事業が行われるが,このなかでも健康診査はその内容について注目度が高い事業といえるであろう.健康診査の注目度が高い理由としては,○受診結果が目にみえる形で現れる,○短期間で結果がわかるなど受診者にメリットが理解されやすい点,○比較的短時間で終了するなどサービスの利便性が高い点,○これまでのライフスタイルのなかでも学童健診,職場健診などで健診になじみが深い点などがあげられよう.このように注目度の高い健康診査であるが,その内容は3次にわたる見直しを経て,項目,方法ともに変わってきている.
まず,対象者では他の保健事業同様40歳以上の者であるが,子宮がん検診,乳がん検診については予算措置により30歳以上の女性を対象としている.対象疾患としては,がん,心臓病,脳卒中のいわゆる三大成人病をそのターゲットとしている.これら三大成人病は言うまでもなくわが国の死因の上位三位であり,老人保健法における保健事業はこれら三大成人病による死亡率を減らすことをその大きな目的のひとつとしている.
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