保健行政スコープ
老人保健事業基本健康診査における糖尿病スクリーニング検査の充実について
神ノ田 昌博
1
1厚生省老人保健福祉局老人保健課
pp.597-599
発行日 1996年8月15日
Published Date 1996/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901540
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糖尿病は適切な治療を行わずに放置すると,長い経過の間に視力障害,脳卒中,腎臓病,心臓病などに代表される各種の合併症を引き起こし,ひいては死亡原因にもなり得る病気である.厚生省糖尿病調査研究事業疫学調査班が平成3年度に実施した調査によると,全国に500万人以上の糖尿病患者が存在していると推測され1),その多くは,自分が糖尿病であることに気付いていないか,あるいは気付いていても放置されていることが明らかになっている.糖尿病患者の多くは早期であれば食事療法および運動療法により十分にコントロール可能であり,治療を受けていない潜在的な患者を早期に治療へつなげる体制の整備がかねてから求められてたところである.
今回,保健事業第3次計画の中間見直しが実施され,平成8年度より糖尿病スクリーニング検査の充実が図られることになったので,その趣旨などについて若干の解説をする.
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