特集 現代の予防接種—その意義と課題
予防接種の副反応と対応
神谷 齊
1
1国立療養所三重病院
pp.530-533
発行日 1995年8月15日
Published Date 1995/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901317
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はじめに
予防接種は病気をおこす病原体の成分または産生毒素,あるいは弱毒化した生きたウイルスを接種して,それぞれの病原体に対する抵抗力をつくりあげるものであり,本来の病原体の性質の影響を,全くなしにしてしまうことは困難である.抗原性を弱めすぎると,副反応は減少するが抗原としての力も失い,予防接種をしても抗体ができなくなる.予防接種は効果と抗原のもつ特性による副反応とのバランスの上に成り立っているといえよう.
したがって,予防接種後一定の期間の間にいろいろな反応や疾病が見られることがある.予防接種後に異常副反応を疑う症状がみられた場合,これを総称して健康被害と呼んでいる.本稿では健康被害を紹介するとともに,実際の対応につき概説する.
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