報告
いちご栽培作業者の冷えに関する自覚症状調査
安藤 篤実
1
,
井奈波 良一
1
,
吉田 英世
1
,
岩田 弘敏
1
1岐阜大学医学部衛生学教室
pp.429-432
発行日 1995年6月15日
Published Date 1995/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401901288
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はじめに
「いちご」はその品質において,外温の影響を非常に受けやすい作物である.収穫した後,出荷するまでの間どのように「いちご」の温度を低温に保つかが,その商品価値に大きく作用する.「いちご」を低温に保つことによる「いちご」の品質に及ぼす利点は,果肉の硬度を高めるほか着色速度を遅らせる,つやが保持される,糖度の減少を抑える,味覚を落とさないなどが挙げられる.そこで「いちご」を高品質で出荷できるよう,収穫した後出荷するまでの間,予冷することが一般的になってきた.
岐阜県下のいちご栽培作業者の間でも,近年急速に予冷庫の導入が進んできた.予冷庫の使用により毎日の出荷が調整できるようになり,収穫作業がしやすくなったという利点も挙げられる.しかし予冷庫を作業場内に導入したことにより,予冷の温度調節に気を使わなくてはならないことや,予冷庫を設置するため場所を確保しなけれやばならないなどの問題点がでてきた.その他に作業者の間で予冷庫を使うことによる作業者自身の健康に対する心配も現れてきた.
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