調査報告
窯業地域における肺結核とじん肺の検討
大山 昭男
1
,
田口 るり子
1
,
野倉 敏久
1
,
望月 朝味
1
,
近藤 義之
1
Akio OHYAMA
1
1岐阜県多治見保健所
pp.813-816
発行日 1993年11月15日
Published Date 1993/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900923
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●はじめに
岐阜県多治見保健所管内(3市1町,平成3年10月1日現在の人口215,743人)は,長年,結核の登録率,り患率,有病率等が高い1)ため,各種の結核対策特別促進事業を行って来た.
平成元年度に,過去5年間の新登録患者の疫学調査を行い,その分析を(財)結核予防会結核研究所に依頼した結果,地場産業の窯業に起因するじん肺と深くかかわっている2)として,じん肺の管理システムの必要性が指摘された.
管内は,古くからの美濃焼陶磁器の生産地で,原料採取から製品出荷までのさまざまな生産工程の中で,粉じんを吸入する作業が多く,地域住民の多くが従事しているため,じん肺有所見者が多い地域特徴がある.
じん肺については,管内にある(財)岐阜県産業保健センターが,窯業関係事業所の定期検診と管理区分決定者の管理検診により,発見と健康管理を行っているが,管理区分決定者以外の退職者と小規模事業所や自営業の従事者の大半はこの検診に加わっていない.これらをふまえて,肺結核とじん肺の関係を検討するための調査をしたので報告する.
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