調査報告
老人健診(基本健康診査)中の肝機能検査,とくにγ-GTPについて
板野 龍光
1
,
吉岡 秀起
1
,
北岡 孝
1
,
高山 暁美
2
Tatsumitsu ITANO
1
,
Hideki YOSHIOKA
1
,
Takashi KITAOKA
1
,
Akemi TAKAYAMA
2
1奈良市医師会
2奈良市衛生課
pp.357-360
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900809
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.はじめに
奈良市では老人保健の事業開始以来,基本健康診査は奈良市医師会が受託,毎年9,10,11の3カ月間に市内の各医療機関で健診が行われ1),都市部としては受診率が高く2),近年40%以上の水準を維持している.
老人保健法の実施当初,癌を除く健康診査は,一般診査とその結果を踏まえての精密診査に分かれ,前者には問診・理学的検査,血圧測定,検尿が含まれていた.その後,老健事業は量的拡大ばかりでなく質的充実にも目が向けられ,昭和60年からは一般診査の中にGOT,GPT,総コレステロールが必須項目として組みこまれ,昭和62年以降の第2次計画では,一般診査と精密診査が基本健康診査に一本化された.さらに平成4年度からの第3次計画では,新たにγ-GTP,中性脂肪,HDLコレステロール,クレアチニンの4項目が基本健康診査に追加されている.奈良市ではこのうち,γ-GTPと中性脂肪を先行実施しているので,今回はγ-GTPを中心に,基本健康診査としての肝機能検査について述べる.
Copyright © 1993, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.