活動レポート
保健所精神保健活動を考える—精神保健相談から
金子 和夫
1
Kazuo KANEKO
1
1京都府亀岡保健所
pp.341-344
発行日 1993年5月15日
Published Date 1993/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900805
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●はじめに
保健所は地域精神保健の第一線機関として日々様々な活動を行っている.本人,家族の電話相談や個別相談(家族面接を含む),訪問指導を始めとして関係諸機関への連絡・調整あるいはコンサルテーション,そして一般住民に対する啓蒙・普及活動.また,精神障害者のグループ・ワークに始まったいわゆる“集団指導”は,形を変え精神障害者の家族,酒害者とその家族,痴呆老人とその家族などにも広がり,地域の患者会や家族会,断酒会などの組織化や育成,さらには患者会や家族会を母体とした共同作業所への支援など,2次的発展をみている.これらは,第1次予防から第3次予防までを視野に入れた狭義の精神保健活動の展開である.
精神保健担当者は,このような活動以外に妊婦教室や肥満,糖尿病,高血圧などの成人病教室,その他各種健康教室に参加して精神保健教育を行ったり,学生講義や学生実習指導,市町村や関係諸機関,団体が主催する研修会や各種セミナーで講演するなど,狭義の精神保健に加えて,広義の精神保健活動をもう一つの軸として行っている.
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