新しい保健活動の視点
深谷保健所のウェルネス活動
西川 由浩
1
,
本間 威
1
Yoshihiro NISHIKAWA
1
,
Takeshi HONMA
1
1埼玉県深谷保健所
pp.273-276
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900787
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◇はじめに
私たちは,保健所が地域の公衆衛生向上に果たしてきた役割は非常に大きいと確信している.しかし,時代の流れは保健所と地域との関わり方を変えてしまった.ある自治会へ出向いた時のことである.「保健所は人間のことをやってるんですか」という声を聞いた.また,当所が行ったアンケート結果では「保健所は何をやっているかわからない」という多くの声を聞いた.健康に関する知識や学習欲,生活基盤の安全対策など,地域の人々の健康意識に相当の高まりがみられる中,21世紀の高齢社会に向けた健康の維持増進をめざして鋭意努力しているつもりであったが,私たちの感覚と地域の人々の感覚の間にはかなりのギャップがあり,保健所の存在感は希薄化してしまったようである.
深谷保健所は,渋沢栄一生誕の地である埼玉県深谷市に位置し,深谷市,岡部町の1市1町(管内人口約11万人)を所管する型別人口数別分類がR4型の保健所であるが,県北地域(6市15町6村)の広域的な食品監視と試験検査の業務を担う特定機能保健所でもある.
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