グラフ
人間中心の病院造り—深谷赤十字病院
pp.1013-1018
発行日 1980年12月1日
Published Date 1980/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541207317
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飛躍への条件
昭和25年11月,当時深谷町ほか11か町村の組合病院を日本赤十字社が継承し,内科・外科・放射線科と60病床をもって発足した.といっても,医療機器は無きに等しく,治療薬も入手できない状態で,畳敷の病室には結核,赤痢,疫痢等の伝染病患者が共同で自炊生活をする有様であった.そんな中から,医師3名を含む11名の職員による,昼夜を分かたぬ献身的な医療活動が始まった.
以来まる30年,今では一般300床,隔離38床を擁する地上6階の総合病院へと生まれ変わった.独立採算性をとる赤十字病院にとって,とりわけ道は容易ではなかったが,その経緯については,先月号特集「飛躍への条件」中,高木紹夫院長の文章に詳しい.そこで特筆すべきは,飛躍が単に量的規模を意味するのではなく,「夢を追う」と表現されるように,人間性を中心に据えた医の理想を追求する中で実現されたことであり,今後も一貫してその姿勢を保持しようとしているのである.
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