海外医療事情
米国におけるKyphoplastyの現状―Cleveland Clinicの症例を中心として
戸川 大輔
1
,
Isador H. Lieberman
1
,
A. Jay Khanna
1
,
Mary Kay Reinhardt
1
1Cleveland Clinic Spine Institute, The Cleveland Clinic Foundation, Cleveland, Ohio, USA
pp.1004-1013
発行日 2005年9月1日
Published Date 2005/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100179
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近年,骨粗鬆症性圧迫骨折,ならびに骨融解性病的骨折に対する経皮的椎体形成術が広く行われてきている.Kyphoplastyは圧壊した椎体内にバルーンを挿入し,加圧することで椎体高を再獲得し,局所の後弯と脊柱の矢状断アライメントを改善すると同時に,骨セメントを無圧下で充填するための空洞を形成する.このことにより,セメント漏洩などの合併症の頻度を著しく減らすことのできる優れた術式である.良好な疼痛緩和,椎体高の回復,低頻度の合併症が報告されているが,疼痛改善機序,隣接椎体への影響,最適な椎体内充填マテリアルの問題などは今後の課題である.筆者が留学中のクリーブランドクリニックでは,1999年より500症例1,000以上のkyphoplastyを経験し,良好な臨床成績と高い患者の満足度を得ている.
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