調査報告
結核の集団感染に関する調査研究—中学生のツベルクリン反応検査値の検討
駒井 惠美子
1
,
美馬 一雄
2
Emiko KOMAI
1
,
Kazuo MIMA
2
1札幌市厚別保健所
2札幌市豊平保健所
pp.890-894
発行日 1991年12月15日
Published Date 1991/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900491
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●はじめに
社会全般の生活の向上,抗結核剤の開発により,結核患者は激減しているが,結核に未感染の若年者の増加に伴い,結核患者発生時に集団感染の報告が散発している1).
現在,結核感染判定の有無は,ツベルクリン反応テスト(以下ツ反)が唯一の方法である.わが国では,乳幼児期のBCG接種率が高く,さらに小学1年,中学1年にツ反検査,BCG接種が行われている.中学生になるとツ反陽性率が高く,結核患者発生時に,感染の有無をツ反検査で判定するのは難しい.
最近,結核集団感染の報告2)のあった中学2年生を対象に,患者隔離後実施した定期外ツ反検査値を資料とし,同対象が中学1年時実施した定期ツ反の検査値と比較検討した.
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