検査法の基礎理諭 なぜこうなるの?
ツベルクリン反応
島尾 忠男
1
1(財)結核予防会結核研究所
pp.1071-1075
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202918
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ツ反応の目的
臨床の場ではツベルクリン反応(以下,ツ反応)は結核感染の有無を判別するために用いられる.陰性,疑陽性ならまず結核を否定することができる.中高年者では過去の結核感染によって70〜80%が陽性であり,若年者ではBCG接種が普及しているため半数以上が陽性なので,陽性であっても結核という診断を支える根拠とはならないが,若年者で強陽性の時はより強く結核を疑うことになる.鑑別診断にも利用される.胸部X線写真で両肺門リンパ節の腫脹が認められた場合,ツ反応が陰性ならサルコイドージス,強陽性なら結核をまず考えるのがその一例である.
この他に疫学では年間感染率を求め,まん延状況を比較するために用いられ,結核管理の面では,BCG接種対象者の選定と接種技術の評価,発病のおそれの多い者の選定,集団感染の有無の判定などに活用されている.
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