発言あり
看護婦・看護士
糸川 嘉則
1
,
門脇 豊子
2
,
山本 俊一
3
1京都大学医学部衛生学
2厚生省看護研修研究センター
3聖路加看護大学
pp.749-751
発行日 1991年11月15日
Published Date 1991/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900452
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「転換期に立つ看護医療」
本年度の4月の医学会総会は,「転換期に立つ医学と医療」というメインテーマを掲げて開催されたが,看護医療にとっても現在は大きな転換期にあると思われる.転換期というのは,現状のまま何もせずに放置しておいては破綻を来すおそれもあるという意味が含まれている.看護は医療の最も大きな柱のひとつであり,これに破綻がくるということは大問題である.どのような問題点があるのか私見を述べることにしたい.
第一に,看護婦の数が不足しているという問題が提起されている.しかし,人口当たりのわが国の看護職員数は,アメリカ合衆国には及ぼないが,ドイツ連邦,デンマーク,イギリスよりは多いのである.一方,病院病床数がわが国では多いという現状があるが,これも看護職員一人当たりの病床数でみるとドイツ,イギリスのほうが多くなる.看護婦数を増やす努力は続けなければならないが,数を増やすことはかなり困難であると考えられる.看護婦の数を増やすだけではなく,看護制度や看護婦の周辺に存在する諸問題を改革する必要があると思われる.
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