保健婦活動—こころに残るこの1例
「もう少し,続けてみようか」
堀 恵美
1
1和歌山県古座町役場
pp.341
発行日 1991年5月15日
Published Date 1991/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900345
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この何年間かを,私は保健婦と言えるのだろうか,と思いながら過ごして来た.年間稼動時間のうち,20〜30%を占める事務量に訪問時間はほとんどなく,増えて来た事業をこなしていくのがやっとで,雑誌を読んだり,他の町村の保健婦の情報を得たりすると,事業の内容に悩むのではなく,その手前の状態に悩んでいる自分が取り残されていくようで,焦り,このまま続けていていいのかと思い続けて来た.
私の思い出すことと言えば,補助金のヒヤリング,種々の事務担当者会議,狂犬病の予防注射の登録事務,等々.“なぜこんなことを”と,悔しさで課長に食って掛かったこともあった.保健衛生の事務担当者がいないので,保健婦2名に栄養士が加わった現在も事務量に変化はなく,思うように事業を進めていけないこともある.そんな中で,保健婦としての意欲もなくなり,日々を過ごして来た.
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