保健婦活動—こころに残るこの1例
2年目に出会ったS氏一家から学んだこと
中村 妙子
1
1神奈川県逗子市役所
pp.130
発行日 1991年2月15日
Published Date 1991/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900285
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昭和60年7月,台風一過の青空の朝,「裏山が崩れそうで恐いんです…」と疲れたような声でS氏の妻から電話が入った.
S氏は当時62歳,会社を停年退職後,自営を試みては失敗するという連続で,妻が気づいた時借金は1千万円を越し,家も抵当に人っていた.妻は生活費の相談に福祉事務所を訪ねて来ていた.「話しを聞いているとどうも様子がおかしいので,一度本人を見てきて欲しい」と福祉のケースワーカーからの相談を受け訪問してみたのは,5月の末のことである.
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