保健所機能の新たな展開—模索する保健所
保健所を核とした保健・福祉連携施策の総合的展開—大阪府
江部 高廣
1
Takahiro EBE
1
1大阪府福祉部保健福祉政策室
pp.335-337
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900096
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●連携が求められる社会的背景
大阪府は全国一狭隘な地域にもかかわらず,870万を超える人口を抱えた全国2番目の過密府県である.また現在は全国で4番目に若い府県であるが,急速に高齢化が進展し,来たるべき2020年には府民の4人に1人が高齢者という「超高齢社会」の到来が予測されている.
このように高齢者の数が増加するにつれ,府民の有病率も確実に高まるとともに,慢性の疾病や機能障害を持った高齢者も増えていくものと考えられる.このような高齢者の持つニーズは複合化,多様化する傾向にあり,治療と併せて介護や看護などのケアを必要とするが,これまでのように保健・福祉・医療が個々に独立し縦割のサービスが提供される仕組みでは的確な対応はできない.こうした状況を踏まえ,大阪府においては,保健・医療と福祉との連携が密接に行われるよう,次のような組り組みに着手している.
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