進展する地域医師会の公衆衛生活動 インタビュー
B型肝炎対策に取り組む南宇和郡医師会(1)—南宇和郡医師会の組織と保健活動
粉川 顕仲
1
Kenchu KOGAWA
1
1南宇和郡医師会
pp.338-339
発行日 1990年5月15日
Published Date 1990/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401900097
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愛媛県の南端に位置する南宇和郡は松山市から列車で約2時間,さらに宇和島でバスに乗り換え約1時間半の距離にある.南宇和郡は御荘町,城辺町,西海町,一本松町,内海村の4町1村,人口約3万3千人である.この地域は古くから近海漁業が盛んであるが,最近ではハマチや真珠の養殖が基幹産業となっている.地域の疾患の特性として,ATL(成人T細胞白血病)やB型肝炎ウイルス(HBV)のキャリアが多いこと,また先天性多発性のう胞腎が多いことなどが挙げられる.現在ではほとんど見られないが,かつてはレプトスピラ症が多かったという.
南宇和郡医師会の現在の会員数は24名,診療所医師が大半を占めるが,郡内の県立病院,国保病院,精神病院の病院長や保健所長も加入している.開業医が約半数で,その年齢構成は70代が2名,60代が3名,50代が3名,40〜30代が4名である.後継などを含め現在,世代交替の時期にあり,徐々に若返りの傾向にある.医師会で組織している部会には,庶務,広報,社会保障,業務,福祉,学術,病院などがあり,それぞれに担当の理事・副理事を1名ずつ置いている.「会員が少ないので,全員が各部をそれぞれ重複して担当しています.したがって,総会に出席する人数と役員会の人数がそれほど変わらないのですよ」という(学術部担当の粉川理事).
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