連載 ヒトとモノからみる公衆衛生史・11
入浴と清潔をめぐる近代史・2—欧米の公衆浴場運動
川端 美季
1
1立命館大学衣笠総合研究機構生存学研究所
pp.429-432
発行日 2024年4月15日
Published Date 2024/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401210283
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はじめに
前号では、日本の銭湯の歴史と銭湯がどのように見なされてきたのか、『大日本私立衛生会雑誌』の記述を中心に取り上げた。その中で、明治30年以降に、欧米との比較により「風呂好きな日本人」が清潔であると何度も主張されたこと、そして同時期に銭湯の湯水が不潔であるという注意が向けられ、「西洋風」の浴場が推奨されたことや、水質調査が行われたことを紹介した。今回は、明治後期から衛生専門家や知識人たちが日本と比較した欧米の状況について、歴史を振り返ってみたい。
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