連載 クライシス・緊急事態リスクコミュニケーション・10
ワクチン・コミュニケーションから考える心理的反発を防ぐ方法
蝦名 玲子
pp.850-854
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401209754
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はじめに
先月号では,注意を喚起させたり,気付かせたり,控えめに警告したりし,人々の行動をより良いものにするように誘導する「ナッジ」について紹介した.
現在,新型コロナウイルス感染症(以下,新型コロナ)のワクチン接種が進められ,2021年9月13日時点で,すでに国民の5割以上が2回接種を完了したが1),このワクチン・コミュニケーションでも,ナッジは活用されていた.メディアは日々,多くの人々がワクチンを接種する様を報道し,首相官邸もホームページ2)で総接種回数や接種率を実績として公表しているが,これらは,社会規範に従うという人の特性を利用したナッジといえる.
しかし,こうしたナッジに,逆に反発を覚える人もいる.そうした人に,今後,どうアプローチしていけばいいのか?
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